ラクスル、使っていますか?
CMを流したり露出が増えている分、知名度も上がっていますので、利用しようと考えている方は多いと思います。
私は、チラシ・名刺・冊子の印刷代行を10年来請け負っているので、利用したことがある会社数は地元の印刷会社と印刷通販会社を合わせて30社以上、それらの利用回数は300回以上あります。
しかし、ラクスルは一度も利用したこともありません。その理由をご紹介しますが、大切なポイントはラクスルを利用していい客と利用してはいけない客がいるということです。
あなたは、どちらでしょうか?
ラクスルの悪い評判・口コミを見て思うこと
ラクスルに限らず評判や口コミというのは、発信する人にとっての事実と本人の主観によるものです。
悪い評価は、その人だけの話であるというのが不幸な事実です。また良い評価は、利用して良かったと感じた方がいるということです。
自分が依頼者になった時、どちらの評価にもなりえます。つまり、悪い評価があることだけが単純に利用しない理由にはならないですね。
それに悪い評価と一言で言っても、細かく見ると誰にでも当てはまるということではありません。
たとえばカスタマーサポートの対応や客側都合の許容範囲に関する悪い評価は、ノーマルな注文をしていれば、普通は関係ない部分であって、私のように利用したことのない者が、神経質に気にするほどではありません。(もちろん無視できるものではありませんが・・・)
ラクスルのビジネスモデルに思うこと
印刷業界においてラクスルのビジネスモデル(上図)は、成功した部類だと思います。
簡単にいうと、自社で印刷工場を持たず全国の印刷会社を外注先として委託するというもの。
そのため、ラクスル自体は工場や人員を維持するための費用を限りなく減らすことで印刷費用を抑えられ、客側は安価に印刷物を発注できます。
ラクスルは、受注数が多くなれば薄利でも商売として成り立ち、そしてラクスルから受託した印刷会社は工場の稼働率が上がり売上もより安定的になる、という正に三者ともハッピーです。
考えてみると私が請け負っている印刷代行も原理的には同じです。
私は、印刷物の性質によって、4社の印刷会社を使い分けています。冒頭で書いたように私はこれまで30数社の印刷会社を利用したことのありますが、現在は絞りに絞って主な依頼先を4社として、ほとんどの案件を対応しています。
私が行っている印刷代行とは、取引先から印刷依頼を受けた時、その4社の中から優先的に最適な依頼先を選びます。そして印刷会社には、印刷代金を前払いして入稿し、経過を常時確認して納品まで見届けるという流れです。
ラクスルと原理は同じなのに、なぜこんなにも事業規模が違うのか?
うーむ、経営者のスキルの違いですかね。(自虐)
ラクスルの代表取締役社長CEO松本恭攝(まつもと やすかね)氏は、”ジョブズの申し子”とも呼ばれ、かの『Forbes JAPAN』にもたびたび取り上げられています。
やはり、その差は歴然!経営者としては足元にも及びません。(悲)
ラクスルで名刺やチラシを作らない理由
さて、私がラクスルを利用しない理由ですが、決して経営者のスキルの差をひがんで利用しないわけではないですよ。(苦笑)
最大の理由は、たとえ同じ入稿データを依頼しても同じ紙質、同じ色味で仕上がることが保証されていない点です。
例えば、「連量90㎏のコート紙」といっても紙メーカーごとの製品の差があります。どこの印刷会社でも全く同じ紙を使っているわけではないんですね。
ラクスルのビジネスモデルでは、増刷としても前回と同じ印刷工場に委託するとは限りませんので、それぞれの印刷工場で使用している紙の違いが、そのまま客側に届いてしまう場合があります。
同じように色味については、特にwordワードやexcelエクセルなどで作成した入稿データは、印刷機に入稿する際、RGBからCMYKにカラー変換を行いますが、この変換の調整具合も印刷会社によって微妙に違いが出ることがあります。
私の印刷代行サービスは、リピーターになっていただいているお客様も多く、同じ入稿データで増刷を依頼される場合、まったく同じ仕上がりで提供することを条件にしています。
ですから、リピート依頼のたびに紙にしても色味にしても質感が変わってしまうのでは、非常にまずいというわけです。
私のように増刷をする予定がある方は、利用しない方が無難です。
しかし逆に言えば、増刷する予定のない印刷物や増刷しても前回の質感を気にしなくても良い印刷物で、とにかく安く依頼したいという場合は、第1の選択肢になるでしょうね。
そんな時は、一度『印刷のことならネット印刷通販のラクスル 』を利用してみると良いですよ。
さいごに
何事でも同じかもしれませんが、他人の評判や口コミだけをご自身の決断の根拠にするのは、少々危険です。
もっとも継続性のある利用であれば、1~3回くらいは様子見として失敗覚悟の利用も仕方がないものかもしれませんが、とにかくこの1回を成功しなくてはならないといた場合は、他人の評判や口コミを根拠にするのが現実かもしれません。
少なくても時間に余裕があれば、依頼先候補に問い合わせながら探っていくこともできると思いますが、それができない場合は、確実な成果を求めて費用云々ではない選択にならざるを得ないかもしれませんね。